局地的な激しい雨による被害が報じられる一方で、ダムの貯水率は上がらず
各地で水不足が深刻化しています。

 久米島では13年ぶり、大分市では60年ぶり雨乞いの神事が復活し、東京
都では明日から人工降雨装置を試運転する予定です。稼働すれば12年ぶりの
ことだそうです。

 都心から約65km離れた奥多摩周辺にある降雨装置は、水蒸気と結び付き
やすいヨウ化銀の混合液を燃焼させて、細かい粒子を含む煙を雲に向かって放
出し、上空の雨雲の中で人工的に氷結晶の核をつくり、雨を降らせるというも
のです。

 ちなみに、中国では人工降雨をもっと大規模に運用しています。2008年
の北京五輪の際は開会式が雷雨予報でしたが、開会式の数時間前にヨー化銀を
積んだ小型ロケット約1100発を雨雲に打ち込み、雨雲が北京上空に流れて
くる前に人工的に雨を降らせて雲を消散させ(人工消雨)、開会式の時間帯の
北京上空を晴れにしたという実績があります(実際の因果関係は不明)。

 尚、中国の東部一帯では現在、記録的な猛暑と少雨による干ばつが深刻化し
ています。そのため、各地で人工降雨ロケットの打ち上げが相次いでおり、ロ
ケットを打ち上げない自治体では打ち上げ実施を求めて暴動が発生しているそ
うです。