通常、年2回収穫される蕎麦(そば)は春蒔きの夏蕎麦と夏蒔きの秋蕎麦に
区別され、今はちょうど秋蕎麦の収穫時期で、新蕎麦を味わうのがこの時期の
楽しみの一つとなっています。

一般的には、夏蕎麦よりも秋蕎麦の方が好まれる傾向があります。自家製の
蕎麦を挽いている店や馴染みの店の新蕎麦であれば間違いありませんが、日本
各地で栽培される蕎麦の収穫時期は地方によって異なり、従って新蕎麦として
出回る時期も微妙に違ってくるということと、国内で消費される蕎麦の8割は
輸入される現状にあって、自身の舌で新蕎麦を見分けることはなかなか難しい
と言えます。

ちなみに現在は、製粉技術の進歩により蕎麦殻や甘皮が混じらない蕎麦が挽
け、白い蕎麦が作れるようになったそうです。白い蕎麦と黒い蕎麦は、蕎麦の
割合が多いと黒くなると思われがちですが、蕎麦粉の割合というよりも、風味
やその他の理由で白黒の違いが生じている場合が多く、一般的には更科蕎麦や
御膳蕎麦は色が白く、藪蕎麦や田舎蕎麦は黒っぽい蕎麦となります。